Case Study

事例を知る

組織が変わる、仕事が変わる

機械学習基盤を使ってクリエイティブな仕事を進めている事例を紹介します

読売グループの
データ分析基盤の
超短期構築プロジェクトの成功事例紹介

プロジェクトでの
コンソーシアム各社の役割
GRI社編

当社 古幡

私の役割は全体統括として、プロジェクトの方向性や進捗のペースを合わせることでした。プロジェクトメンバーが助け合いやすくなる仕掛けづくりを心がけました。読売新聞社の意思決定の仕方の特徴、こういう分析結果を渡せば決めやすくなる、ということをプロジェクトメンバーに共有しました。

チャレンジングだったのは、初対面で違う会社の人間が集まって意思決定をしつつ、読売新聞社という巨大組織と相対する大変さを知った上で、プロジェクトを円滑に進めることでした。

読売新聞グループ本社 竹内 様

往々にして、マルチベンダー方式のプロジェクトは失敗しがちです。また、要件を出す側が要件を決められない、ということもあり、出来上がってから、これは全然違うということもよくあります。今回のプロジェクトは幸運にも、そういうことはありませんでした。先行プロジェクトをGRI社とやっていたことと、スコープ1、スコープ2などと明確に範囲を区切り、ここまではこれをやる、という目標と進め方をプロジェクトメンバーがきちんと認識出来たことが大きかったと思います。

当社 斉藤

私の役割は大きく2つありました。1つは分析業務で、ウェブ行動属性分析などの組織横断的な分析や、パブリックDMPによる推定属性分析が含まれます。これらは主にBigQeuryとTableau(データ可視化ツール)を使いました。もう1つは先行プロジェクトで得られた知見をコンソーシアムのメンバーに共有することです。

苦労したのは、データの種類と量が多いうえに複雑度が高かったことです。また、データが出揃ってからID別の顧客属性を作ろうと考えていたところ、データが出揃うのが想定より1カ月ほど遅かったため、全速力で作る必要性があり、私の経験では5年に一度くらいの「絶体絶命」な状況でした。

プロジェクトでの
コンソーシアム各社の役割
エクスチュア社編

エクスチュア株式会社 大縄 様

最初話を聞いた時は、なんて無茶苦茶なスケジュールだと感じました。しかし、色々話を聞いてみると、データ基盤プロジェクトをゼロからやるということで非常に面白さを感じて、楽しさを優先してぜひやろうと決断しました。

私自身の過去のプロジェクト経験は、PM(プロジェクトマネジャー)として「開発の最初の部分から基盤作りと可視化まで」が中心でした。今回GRI社と組ませていただき、作ったデータをどう分析に活かしていくかに関わって、それによる知見が得られたことが弊社にとって大きかったです。truestar社も分析に強い会社で、三者が互いの強みを凝縮して取り組んだ良いプロジェクトだったなと思います。

弊社の場合は今回、Googleアナリティクス(GA)に関連した業務で貢献できました。もともとウェブのログ解析からスタートした会社でしたので、弊社の強みを発揮できました。今後もプロジェクトが良いものになるように頑張っていきたいです。

読売新聞グループ本社 竹内 様

プロジェクト中に、ある問題が露見した際、ご担当ではなかったにも関わらず、いきなり動くスクリプトを作成していただきました。それが実際に解決策となり、驚きました。GAにも詳しいということが最初の段階で分かりました。

エクスチュア株式会社 前原 様

エクスチュア社はBigQueryやデータ処理などの基盤作りをやってきました。その中でBigQueryの良さを活かしつつ、データ処理フローを可視化できるMatillionというツールを採用しました。稼働後は読売新聞社自身で運用できることも念頭に置いたので、データ処理フローを可視化でき、パフォーマンスも出るMatillionは最適だと考えました。また、読売グループのユーザー突合処理の開発を行いました。

読売新聞グループ本社 竹内 様

Matillionは使い始めてから、すぐにツールの優秀さを実感しました。

当社 古幡

提案の事前準備の際、BigQueryでのデータ処理のパイプライン作りが肝でした。Alteryxなどの有名なETLのツールの多くは、BigQuery側での処理に対応していなくて、必ずデータを一度出力する必要がありました。このことは大規模データを扱う上でのネックでした。Googleの提供するData Fusionも事前に試してみましたが、非常に高い課金体系で大規模データを扱う際の提案には入れられないと感じていました。エクスチュア社からMatillionを紹介してもらい、事前に試してみて確信が持てたため、プロジェクトの提案に採用させていただきました。

読売新聞グループ本社 竹内 様

Matillionを発見できたのは今回のプロジェクトの1番のポイントでした。Matillionがなかったら、おそらく4カ月では終わってなかったですね。

エクスチュア株式会社 大崎 様

私はBigQueryに収集されたデータからユーザー属性や行動属性をテーブルとして作る部分を担当しました。500を軽く超える属性数を一つずつ効率よく入れるという所を考えて構築しました。最初に作ったときは、処理実行時間が45分ぐらいでしたが、試行錯誤を繰り返し、最終的には15分ほどにできました。

読売新聞東京本社 山本 様

プロジェクト開始前の検証時は、コマンドラインでBigQueryにデータを入れていたので、その苦労を知っている身からすると、Matillionの簡便さに感動しました。データを入れる作業が肝になるので、そこが簡単にできると他の色々なことに時間を使うことができると思います。

当社 古幡

事業会社から外部ベンダーにデータの投入を依頼する際、要件定義・詳細設計・テスト・受入れのような手順を踏むのが一般的です。MatillionだとGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)で簡単に設定できるため、それらの手順を踏まず短時間で構築が完了できます。

読売新聞グループ本社 竹内 様

今回作ってもらったユーザー突合システムも、構築に要したプロセスや期間は最速の部類に入ると思っています。プロジェクトの中で、Excelでデータフローのイメージの確認をした後は、もう気付かないうちに完成していました。

エクスチュア株式会社 前原 様

あの作業は裏で粛々とずっとやっていました。当初想定していたデータの10倍ぐらいの種類があり、さらにPV数も多いことが分かりました。読売新聞オンラインだけでも多くの種類のデータがあり、さらに読売グループ各社を含めて20以上の媒体を対象としたので、想定の10倍くらいになっていました。以前からこういった仕事をしてきましたが、今回ほど大きな規模で、種類とデータ量を全てマッチングして同じユーザーを洗い出すというのは、非常に挑戦しがいがありました。短期間で設計から実装、テストまで任せていただき、かつMatillionで可視化したうえで、稼働させることができました。

プロジェクトでの
コンソーシアム各社の役割
truestar社編

株式会社truestar 齋藤 様

GRI社と知り合うきっかけは、(GRI社の)古幡さんとExploratory社の勉強会で一緒に登壇したことです。エクスチュア社とは、以前から取引がありました。プロジェクトでは、ビジネス分析を担当しています。いままで「よみぽランド」のユーザー行動分析のようなビジネス分析やログ解析の経験はある一方、基盤構築の経験はあまりなく、GCP(グーグル クラウド プラットフォーム)、BigQueryに触るのも初めてでしたのでかなりチャレンジングでした。従って、得るものも大きかったです。例えば、ウェブサイトの行動分析やKPI設計などを、TableauとBigQueryを活用して深く考える機会になりました。

読売新聞グループ本社 竹内 様

今回、分析していただき初めて気付くことが結構ありました。例えば「よみぽランド」では初回登録者には100ポイントを差し上げています。ただし、途中からその導線のURLが変わっていました。その変更に気付いていなかったのですが、「yomiuri ONE」のデータを丁寧に追った分析でそれを発見しました。データをしっかり見て、違いを比較し、明らかにしていく。疑問があったらそれを解決するというプロセスの効用を実感した瞬間でした。間違ったデータを鵜呑みにしない、そういう役割は絶対に必要だなと身に染みて思いました。

株式会社truestar 田丸 様

私は、データマートの設計や開発に携わりましたが、案件に携わった当初は、現行のビジネスルールやフローを理解する事からスタートしました。そういったフローをドキュメント化する際は、データがこのように格納されているからビジネスではこうなっているはず、というようにデータを見てビジネスを想定して進めていかなければならなかったため、苦労がありました。例えば、共通会員システムでは、読売グループの社内ではある程度までしか共有されていない暗黙知があり、ビジネスルールとデータの関係性を解き明かしていく必要がありました。その作業では、Tableauを活用して分析を行いました。

読売新聞グループ本社 竹内 様

共通会員システムについては、何をもって読売IDの会員なのか?という基本的な定義が曖昧な部分があったのですが、今回のプロジェクトで改めて明確化することができました。

株式会社truestar 田丸 様

じっくりデータを見たからこそ気付けた点が多く、良いチームワークが出来たと思っています。

プロジェクト全体を通して
深い経験からのベストな提案

当社 古幡

プロジェクトをやってみた率直な感想をお聞かせください。

読売新聞東京本社 山本 様

色々なベンダーと付き合いがあり、多くのシステムを作ってきましたが、その中でも今回のプロジェクトは非常に楽しい議論ができ、建設的な話ができています。非常にクリエイティブな内容が多く、楽しませてもらっています。

読売新聞グループ本社 竹内 様

全員が役割を持っている。(人気アニメの)「鬼滅の刃」でいう「柱」が集まっているように感じています。

読売新聞東京本社 高橋 様

私は主にデータ基盤の広告活用部分を担当しました。コンソーシアムのプロジェクトメンバ-は、必ずしも広告関連の仕事をやってきた訳でもないと思います。だからこそフラットな視点で最適な解決策を一緒にすり合わせて、見出していただけたと思います。

読売新聞グループ本社 竹内 様

思い返してみると、データ分析作業やデータマート構築については経験がなかったので、「こうしたい」という明確な要件を出すことはできませんでした。ただ、それに対して「決めて下さい」「決めてくれないと進められません」などと迫られることはなく、常に、コンソーシアム側でしっかり検討された提案をもらうことができました。例えば、Matillionの採用の際も、弊社にはETLツールを選定するための判断軸がありませんでした。データ分析業務に関する深い経験がある皆さんからベストアンサーをいただけたのは、大変有難かったです。

今後の展望
紙とデジタルの融合による
ビジネスの成功へ

当社 古幡

読売新聞社の今後の展望をお聞かせください。

読売新聞グループ本社 竹内 様

読売新聞は「新聞withデジタル」として紙の新聞とデジタルの新聞を一つの商品として世に出しています。145年という長い読売新聞の歴史の中で、強力な取材網や販売店網を築いただけでなく、スポーツやエンタメの分野でも日本有数のコンテンツを生み出してきました。それらが、読売新聞の根幹である自立したジャーナリズムを支えています。新聞業界を取り巻く環境は厳しさを増していますが、今ある財産を生かしつつ、デジタルの力を使って「読売の強み」を再発明したいと考えています。

デジタルに力を入れている新聞社も、デジタル媒体と紙の新聞は完全に分離した商品として提供しています。これを一つにできた時に、勝機が出てくると考えています。そのための重要な鍵が、データの可視化です。デジタルの新聞ならデータが取れるので、読者の知りたいことをより深く知ることができ、紙も含めて報道やサービスの改善を図れます。そこにこそ、デジタルに投資する意味があると思っています。

「デジタル化を進める意味は何か」という議論はずっとしてきました。事実、デジタルにはこんなにいいことがあるという実例がありませんでした。今回、データを可視化し、グループ全体や新聞販売店にも提供していくことで、デジタルのメリットを示すことができるのではないかと考えています。

読売新聞東京本社 山本 様

私は20年ほどデータベースエンジニアをやってきましたが、今回のプロジェクトを経験してみて、これまでのようにハードウェアやデータベースのアーキテクチャを意識したSQLを書かなくてもよいことが分かりました。これまでは難しかった大規模データの出し入れが簡単にできる基盤は、大きなブレークスルーだと思っています。エンジニアとしては、今回のデータ分析基盤に格納したいデータがたくさんあり、知的探求心を掻き立てられています。色々なデータを集めて結びつけると面白い結果が得られるのではないかと期待しています。

読売新聞東京本社 高橋 様

主に広告視点での自社データ活用を視野に入れながら、データ基盤構築に反映するという立場でプロジェクトに関わりました。ソリューションビジネスという表現は古いかもしれませんが、クライアントに寄り添って要望にどう応えていくかを考え続けていくことが、ビジネスチャンスを掴むきっかけになると思います。今回のプロジェクトを通じてデジタル広告における一つの成功事例をつくっていければ、メディア業界にとってインパクトがあると思っています。

読売新聞グループ本社 竹内 様

デジタル広告分野は急激な技術進化の反面で規制が強化され、パブリッシャーにとって最適解を見出すのは容易ではありません。外部DMPにも頼りにくくなるので、当面は自動機械学習などのテクノロジーも活用して自社データ拡充を図るほかないと考えています。読売新聞は今後も、ユーザーとクライアントの双方に良い広告体験を提供できる媒体を目指し、業界をリードしていきたいと考えています。

社名 読売新聞グループ本社
URL https://info.yomiuri.co.jp/
社名 エクスチュア株式会社
URL https://www.ex-ture.com/
社名 株式会社truestar
URL https://truestar.co.jp/
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